10:00-10:10
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開会あいさつ 木村英紀(横幹連合 副会長) |
10:10-11:00
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◆ものづくり
「“ものづくり”のためのスーパーコンピューティング」
矢川元基(東洋大学)
【要旨】コンピュータの発達にともなって「ものづくり」におけるスーパーコンピューティング技術の役割は、ますます重要となっている。「ものづくり」においては、一般に、与えられた「ルール」をベースとして行う設計と、コンピュータによる「解析」をベースとした設計がある。出来上がった製品の安全性・使いやすさ・快適性、設計・製造における迅速性・経済性などの観点から、最近では、後者をベースとした「ものづくり」の方法に移行しつつある。ここでは、「ものづくり」を目的とするコンピュータシミュレーション技術、特にスーパーコンピューティングの現状、課題、将来について議論する。
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11:00-11:50
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◆生体力学
「生体力学シミュレーションと医学応用への試み」
大島まり(東京大学)
【要旨】近年、工学分野で発展してきた数値シミュレーションを医学・生物分野へ応用する試みが盛んに行われている。生体内の現象を実験により観察・測定するには、技術的、あるいは倫理的に限界がある。一方、数値シミュレーションは、現象を数理モデル化し、コンピュータ上に再現するため、ケース・スタディを容易にできる利点がある。特に、近年では動脈硬化症や脳動脈瘤などの循環系疾患では、血流の血管壁に与える力学的刺激が重要な役割を担っていることが明らかになってきている。このことから、生体の力学的なメカニクスに着目した数値シミュレーション、生体力学シミュレーションが着目されている。本講演では、脳動脈瘤の発生、成長、破裂について取り上げる。医用画像に基づいた血管のモデリング、そして血流と血管壁の相互作用を考慮した連成解析について紹介する。そして、今後の課題として生体のマルチスケール・マルチフィジックスなメカニズムを解明するため、生体力学シミュレーションの分野で行われている様々な試みについてふれる。
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( 11:50-13:00 休 憩 )
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13:00-13:50
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◆社会システム
「社会システムのエージェント・シミュレーション」
寺野隆雄(東京工業大学)
【要旨】社会システムの構成要素である個人や組織、コンピュータシステムなどを自律的な主体(エージェント)とみなして、シミュレーションを行う手法が注目を集めている。この適用分野は、社会コミュニケーション、ファイナンス、伝染病の広がり、マーケティングなど多岐に及ぶ。本講演では、エージェント・シミュレーションの動向について報告する。
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13:50-14:40
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◆創発
「計算科学技術のための創発的手法の動向」
森下 信 (横浜国立大学)
【要旨】創発的手法、いわゆるボトムアップ的手法は計算科学分野にとどまることなく多くの分野で採用されているが、その歴史的背景や動向を含めて、特に計算科学にもたらされる影響について計算例を示しながら概説する。
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( 14:40-15:10 休 憩 )
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15:10-16:00
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◆開発促進
「技術開発促進と数値シミュレーション」
椿 広計(筑波大学)
【要旨】新製品・新技術開発の促進にとってシミュレーション技術は不可欠のものとなった。これに伴い、実物実験に基づく品質管理技術特に実験計画技術や、品質保証体系も見直しを迫られている。日本品質管理学会では、高橋 朗・前会長の研究方針に基づき、本件に関する課題抽出などを進めてきている。今回は、その成果の一部を報告したい。
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16:00-16:50
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パネルディスカッション
「シミュレーション技術の産業界での活用」
パネラー:講師陣、石井 芳(日産自動車(株))、北野 誠((株)日立製作所)
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16:50-17:00
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閉会あいさつ 桑原 洋 (横幹技術協議会 会長)
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