横断型基幹科学技術研究団体連合
Transdisciplinary Federation of Science and Technology
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NEWS LETTER
VOL.003
November 2004
<<目次>>

◆巻頭メッセージ
・「専門バカの壁」

◆活動紹介
・「横幹技術競技会の活動」

◆参加学会の横顔
・計測自動制御学会
・日本経営工学会
・日本信頼性学会
・ヒューマンインタフェース学会

◆イベント紹介
・日本学術会議・横幹連合
 共催シンポジウム
・第3回横幹技術フォーラム

◆編集後記
 

NEWS LETTER No.003, November 2004
◆参加学会の横顔
 横幹連合の参加学会をご紹介していくコーナーです。
 計測自動制御学会       /小畑秀文 会長(東京農工大学)
 日本経営工学会        /黒田 充 会長(青山学院大学)
 日本信頼性学会        /中村英夫 会長(日本大学)
 ヒューマンインタフェース学会 /西田正吾 会長(大阪大学)

計測自動制御学会
計測自動制御学会 会長 小畑秀文 氏(東京農工大学)
 計測自動制御学会(SICE)は計測と制御の研究者・技術者の集まりとして1961年に設立されて以来、装置産業や組み立て産業などの2次産業ばかりでなく、2.5次産業、3次産業や1次産業まで、その活動分野を拡大し、学術・技術、産業の発展に寄与してきました。最近では情報、知能、システム、ロボット、ネットワークを網羅し、情報統合を目指す製造業から、サービス業、経営、金融、環境など、広く社会のあらゆる領域における課題解決の技術をになう研究者、技術者の交流の場となっております。会員数は約8,000名です。活動分野の拡大に伴い、学会の中は計測、制御、システム・情報、SI(システム・インテグレーション)、産業応用、先端・融合の6つの部門に分かれ、それぞれが活発な活動を行っております。

 グローバル化が社会一般に進む中でも、SICEのグローバル化は極めて活発かつユニークです。IEEE、IFAC、IMEKO、CIS、ICASE、ISAなど数多くの国際学会と活発な交流の場を持ち、国際会議の共同開催や、APFICS加盟によるアジア諸国の計測・制御系学会・団体との密接な連携を推進しております。 SICE自身のグローバル化も積極的に進めております。その一環として英文論文誌を発刊するほか、毎年行われるSICEの学術講演会を国際会議として位置づけ、論文はもとより質疑応答も全部英語で行う完全な国際化を果しました。わが国では他に例のない新しい試みにチャレンジしております。日本から世界に向けての情報発信の一拠点となることを目的に、今後も種々の改革や新しい試みにもチャレンジしていきたいと考えております。

 社会貢献活動も活発です。社会人を対象にした講習会以外に、技術者教育の推進の一環として JABEE(日本技術者教育認定機構)への協力、技術者の継続教育を目的としたポイント制度の実施、SICE独自の「計測・制御エンジニア認定制度」の運営、などを推進しています。

 科学技術の発展は分野の細分化をもたらしますが、実社会や環境の中では細分化された技術ではごく一部しか解くことが出来ないため、逆に細分化された知を有機的に統合することが求められます。SICEの技術分野である計測、制御、情報、システムはその統合化にあたっての基幹技術で、ますますその重要性を高めていくでしょう。それらはまさに横断型科学技術です。その意味でも横幹連合の推進はSICEの主要課題です。たて割り技術を横断する普遍性を持つ新しい横断型学問の体系化が必要で、その創生に向け、横幹連合の一員として積極的に参加していきたいと考えております。

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日本経営工学会
日本経営工学会 会長 黒田 充 氏(青山学院大学)
 太平洋戦争終結後間もない1950年に日本工業経営学会が創設され、1974年に法人化を行い、同時に学会名を日本経営工学会と改め、現在に至っております。学会設立の当時、すでに米国において一工学領域を形成していたIndustrial Engineeringに少なからず影響を受け、経営の要素である5MつまりMan、Machine、Material、Money、Method を総合的に取り上げる工学領域であることを先輩の研究者から機会があるたび説かれてきました。また米国流の実証主義が思考の根底にあり、理論が単なる理論に終わることがないようにと戒められてきました。今から考えれば、学会設立の当初から文理横断的学術の意義が教えられ、学会としてそれを原理とすることをモットーとしてきたと言えます。

 当学会は日本の産業の復興と発展の歴史とともに歩み、日本経済の発展に少なからず寄与しました。世界で広く知られているTQC、JIT、TPMなどの管理技術がわが国で生み出されたことと当学会の存在は無関係ではありません。高度成長、バブルの崩壊を経て、経済の再生を迎えるいま、学会は新しい役割を担いつつあります。すべての学術と同様、ITの普及が経営工学にも劇的な影響を与えようとしています。つまり、経営のあり方が根底から変化し、伝統的な“効率重視”に加えて計画や管理の総合性とスピードが求められ、経営工学の方法論の適用対象が広がって、社会もその必要性を認識するようになってきました。

 学会の主要な活動は、年に2回行われる研究大会を始め、論文誌を6回、「経営システム」誌を4回発行しています。また、日本インダストリアル・エンジニアリング協会と提携し、産業界との交流の場としています。国際的には、当該分野では最も歴史のある国際会議であるInternational Conference on Production Research と当学会は特別な関係にあり、2年に1度開催されるコンファレンスには当学会員が毎回多数参加しています。

 横幹連合への期待は、他学会の異なった考え方、異なった研究の方法を学ぶことです。異なるものが結合したとき、そこに新しい価値が生み出されると信じています。

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日本信頼性学会
日本信頼性学会 会長 中村英夫 氏(日本大学)
 日本科学技術連盟が1958年9月に設置した「信頼性研究委員会(高木 昇 委員長)」は、米国のAGREE(1952-1957)Reportを紹介し、我が国の戦後の信頼性活動の嚆矢となった。以来、日本科学技術連盟の数々の教育啓蒙活動を経て1978年に本学会の前身である「日本信頼性技術協会」が組織された。協会は1991年に「日本信頼性学会」と改称され、現在約850名の会員を中心に年8回の機関誌と4回のニュース紙発行、そして研究会やシンポジウムを通じ我が国の信頼性活動に貢献してきた。

 昨今のH2ロケットの失敗やリコール問題、そして社会システムの障害は、我が国の製造分野における信頼性の弱体化の証として捉えられ、本学会には大きな期待がよせられた。学会は、(1) 信頼性理論に関連する研究、(2) 故障解析や故障物理といった学会本来の領域とともに、(3) ソフトウェアやシステムの信頼性、(4) 安全も含めた広義の信頼性にまで活動領域を広げることを求められている。学会では、みずほ銀行の事故をうけた「複雑化巨大化する社会システムと信頼性」をはじめとした公開フォーラムをここ2年間に連続して開催してきた。本年12月には、自動回転ドアの事故や公園遊具の事故を受けた「公衆設備の安全性・信頼性を考える」と題したフォーラムを開催する。

 一方、今日の信頼性は「故障か否か」という一次元の尺度だけでは扱えなくなった。大規模システムにおいては、幾つかの装置や機器がダウンしている状態での機能遂行は当たり前になりつつあるし、セキュリティやトラスト、セイフティ、応答性など信頼性の要件も多様化している。もちろん、IT製品における寿命以前での陳腐化更新が当然という状況下では、故障率を前提とした信頼性理論では不足する。

 まさに、学会にはその活動の裾野の拡大と質的変革が求められているのである。しかし、これらの解決には本学会のみの努力で叶うものではなく、多くの関係学会との協力共同によることが大切であり実効的である。この点でも、横幹連合の意義は計り知れない。連合がその実を発揮し新の連合体となり社会の負託に応えるようになることを望むとともに、本学会もその一翼を担う覚悟である。

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ヒューマンインタフェース学会
ヒューマンインタフェース学会 会長 西田正吾 氏(大阪大学)
 ヒューマンインタフェース学会は、「21世紀は人の世紀、その要となる技術がヒューマンインタフェース」であることを旗印に、また、学会の行う諸事業を通じて「21世紀の学術(学問、技術、芸術)と社会の発展に重要な貢献をしていく」ことを目的として1999年1月に創設されました。

 会員数は現在約1,300名で、主な事業としては、年4回の学会誌、論文誌の発行、ヒューマンインタフェースシンポジウム、講習会・セミナー、研究会・専門研究会の開催、HCI International等の国際会議の共催、電子広報による情報発信を行っています。これらのうち、ヒューマンインタフェースシンポジウムは、本学会最大のイベントであり、今年は10月6-8日に京都リサーチパークで開催され、学会員の半数を超える700名近くが参加しました。

 本学会の特徴としては、「工学だけでなく心理学、社会学などの様々なバックグラウンドを持つ研究者、技術者、ユーザが参加しており学際的色彩が強いこと」「会員相互の顔が見えること」「特に若い会員や女性会員が多いこと」「国際的な活動も活発でHCI Internationalには、100名以上の会員が参加していること」などがあげられると思います。

 ヒューマンインタフェースは技術と人との関係に関する学術であり、また技術を提供する立場だけでなく、技術の受け手の立場からの研究・評価を重要視しています。そのためには理工的なものの原理と共に、人文的な人の原理を生理、認知、心理、文化、社会のレベルで取り入れ、さらに感性や魅力を活性化するデザインなど幅広い横断的な学問分野によって支えられる必要があります。このような意味で、横幹連合を通じて多様な学問領域を持つ種々の学会との連携を深めるとともに、人間に視点を当てた共通の方法論やデザイン論などに関して、新しい横断型のアプローチが創出できることを期待しています。
 今後ともよろしくお願いいたします。

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