横幹連合ニュースレター
No.019, Oct 2009

<<目次>> 

■巻頭メッセージ■
新たな科学革命の必然を主張し、その到来に備えよう
出口光一郎
横幹連合理事
東北大学

■活動紹介■
●第20回横幹技術フォーラム

■参加学会の横顔■
●スケジューリング学会

■イベント紹介■
●第23回横幹技術フォーラム
●第3回横幹連合コンファレンス
●これまでのイベント開催記録

■ご意見・ご感想■
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横幹連合ニュースレター

No.019 Oct 2009

◆活動紹介


【活動紹介】  第20回横幹技術フォーラム
    「SNSが切り開くバリアフリー・コミュニケーション」
            〜 企業内SNS最先端の活用事例 〜(6月3日)
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第20回横幹技術フォーラム

テーマ:「SNSが切り開くバリアフリー・コミュニケーション」
     〜 企業内SNS最先端の活用事例 〜
日時:2009年6月3日  
会場:筑波大学 東京キャンパス 大塚地区
主催:横幹技術協議会、横幹連合
共催:電気通信大学 Social Informatics(社会情報学)研究ステーション
講演:山本修一郎氏(NTTデータ)、青木聖子氏(損害保険ジャパン)、神部知明氏(富士通ソフトウエアテクノロジーズ)、宮内興治氏(日本ヒューレットパッカード)、太田敏澄氏(電気通信大学大学院)
総合司会:舘ワ氏(横幹連合副会長) 司会:諏訪博彦氏(電気通信大学大学院)
プログラム詳細のページはこちら

【活動紹介】

 6月3日、筑波大学東京キャンパスにおいて、第20回横幹技術フォーラム「SNSが切り開くバリアフリー・コミュニケーション」が行われ、企業内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス、注1)の最先端の活用事例が紹介された。この5月に、横幹協議会の共通プロジェクトAとして、「企業内SNS」の報告書が電気通信大学大学院太田敏澄先生、諏訪博彦先生らによってまとめられている。それもあって、司会進行を諏訪先生が、最後のパネル討論の司会を太田先生が担当された。総合司会は、舘ワ副会長。

 まず、企業内SNSの事例が報告された。例えば、NTTデータでは、SNSは06年4月から使用されている。社員の80%にあたる約7400名の利用が可能で、毎日千人前後のユーザーが利用している。代表的な使われ方としては、先ず社員の固有の状況の中で発生した問題をSNSに書き込んで質問する。回答は断片的なものが多いが、「過去にこういう事例があった」などの内容が寄せられ、それを参考にして質問した社員が問題を解決する。こうした質問と回答のやりとりは、他の参加者も参照できるので、運用の過程で「社員の絆」が自律的に強化される効果が認められる。

 損保ジャパンでは、企業内SNSを開始して間もない06年12月末に、「いきなり申し訳ありません。お客様より2007東郷青児カレンダーがどうしても欲しいとの要望があり、どこかに1部でも余っていないでしょうか?」との書き込みがあった。これに対する「ありますよ!」という回答に、やりとりを読んでいた全国の社員が「良かった〜!」と喜びの言葉を書き込んだ。こうした事例などを契機に、同じ仕事をする仲間同士の知識の共有が進んでいる。それまでは、居酒屋、タバコ部屋でノウハウを伝え合うか、つてを頼るしかなかったのが、先ずSNSで聞いてみよう、という信頼感が生まれた。何度もの合併によってできた会社なので社内がギスギスしていたのが、知識をSNSで伝え合うことにより「信じ合い、助け合う文化」、つまり「企業愛」も生まれてきた。

 書き込みに際しては、匿名での運用が認められない会社、匿名も許すが実名を勧める会社、実名でも書けるが匿名でなければ仕事の本音の話は書けないとする意見の出る会社など、会社によって氏名の開示状況は異なっている。また、SNSへの参加者も、職場で指名されたり、互選や紹介であったり、運用方法もいろいろ異なっている。完全匿名のコミュニティのある会社もあるが、おそらく同じ企業内だからということが理由で、「ネット荒らし」とは無縁である。例えば、損保ジャパンでも、長々と同じ内容を書き続ける人もいるが、「そうは言っても会社だから」と誰かが受けて、自然に話が切り替わるという。そこが「2ちゃんねる」とは違うということが、やってみて分かったそうだ。

 会場からの質問「今後の技術の進歩によって、SNSに変化してゆく部分があるか」との問いに対して、富士通ソフトウエアテクノロジーズの神部氏から「recommendのように、求めなくても欲しい情報が与えられるような、見せ方の工夫が必要かもしれない」というコメントがあった。また、NTTデータの山本氏からは、「機械学習的な視点から開発に取り組んだことは無いが、可能性を感じる。経験者に『おまえのノウハウを全てはき出せ!』みたいなことを言っても何も出ないが、『こんな当たり前の』というような質問のほうが、知識を文字化できる契機になる。更に、文字として書かれることで、不特定多数の遠距離、あるいは時間をおいて未知の人々に伝達することもできる」とコメントされた。

 開会の挨拶で、桑原洋横幹技術協議会会長から「SNSは良いらしいので使え、という無責任な押しつけでなく、自分の組織に照らし合わせて採用して行くことが非常に重要」との指摘があったが、その発言に添うように多くの事例が紹介されて、内容豊富なフォーラムであった。閉会のあいさつでは木村英紀会長が、「企業愛までSNSを通じて戻って来るのには、ネット情報学、ネット社会学(的な分析を構想することもでき)、そうした文化の誕生を感じる。まさに知の統合です。『コトづくり』そのものの良い話題でした」と総括された。


(注1)SNSは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Network Service)の略称で、社会的ネットワークをインターネット上に構築するサービスやシステムを指す。日本最大の会員数のmixi、世界最大の会員数のMySpaceなどが代表例である。企業内SNSは、SNSの仕組みを企業内限りに転用したサービスで、社内でのコミュニケーションの活性化や、情報の部門間格差の解消、あるいは内定者囲い込み、SOX法対策などの目的に使用できる。

(文責:編集室)   
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