第20回 企業革新研究会 2025年度 第6回

日時: 2025年8月2日 @ 1:30 PM – 3:30 PM
場所: Zoom開催

企業革新研究会(第20回) 2025.7.2 世話人:河合忠彦、平松庸一 木村裕斗、西尾弘一 次の要領で「企業革新研究会」の第20回研究会を開催致しますので是非ともご参加ください。非学会員の方の参加も可能です。 日 時: 2025年8月2日(土) 13:30~15:15 (ZOOM開催) テーマ:「戦略的人的資源管理におけるミクロ―マクロ・リンク再考」 報告者:平松 庸一(日本大学商学部 教授) コメンテーター:木村 裕斗(東洋大学経営学部 准教授)         野村 かすみ(労働政策研究・研修機構) 司会:西尾 弘一(中央大学経済研究所 客員研究員)  本研究会は今月より、本年2つ目のシリーズとして、戦略的人的資源管理に関する4回の研究会を開催致しております。その趣旨については下記の「SHRMシリーズの狙い」をご参照頂きたいと思います。今回はその第3回として、表記のテーマで平松先生にお話し頂きます。  参加御希望の方は学会のホームページから「7月31日までに」参加登録をしてください。登録者リストを作り、ZOOMミーティングに参加するためのURL、ID/パスワードを「前日に」BCCでお知らせします。 https://iap-jp.org/iasm/event/member/index/226 参考文献 平松庸一(2025)「ダイナミック環境下における SHRM グラデーション・モデル」国際戦略経営研究学会2025 年度春季年次大会報告要旨集,pp.65-68. 平松庸一(2023)「顧客価値経営時代の戦略的人的資源管理の新地平」日本経営品質学会編『日本経営品質学会22周年記念誌―22年の歩み―』(ISBN 978-4-9912854-6-2)pp.227-270,外為印刷. 平松庸一(2023)「不確実性の時代における経営品質-レジリエンスと対話型組織開発-」日本経営品質学会編『日本経営品質学会22周年記念誌―22年の歩み―』(ISBN 978-4-9912854-6-2)pp.271-291,外為印刷. 河合忠彦(1995)『複雑適応系リーダーシップ: 変革モデルとケース分析』有斐閣. SHRMシリーズの狙い  本研究会では、これまで、「日本企業の“創造性/革新性の欠如”と“現場力の低下”の“並存”の原因とその克服の方策はいかなるものか」、「企業の競争力/存続能力の強化に資するIoT/AI時代のダイバーシティ・マネジメント」など を統一テーマとした研究会を開催してきました。そこから、日本企業の革新による競争力の強化、それによる日本経済の復活のためには、戦略と適合的な人的資源や組織の形成・運用が必要ではないかという共通認識が、我々の研究会では形成されつつあります。 ところが、それに直接役立ち得る理論は見当たらず、それにもっとも近そうな戦略的人的資源管理論(SHRM論)を批判的に検討したいと考えるようになりました。現在のところ、人的資源関連の研究者間におけるHRMへの戦略的接近への評価は、必ずしも芳しくないと思われます。  そこで本研究会は、そのような理論の展開の可能性を見出すべく、「戦略と適合的な人的資源や組織の形成・運用」についてのシリーズを(当面簡略化のために「SHRM論シリーズ」として)立ち上げることとしました。本年度はその第一歩として、そもそもそのような可能性があるのかということの検討を行います。4回の研究会を開催致しますので、多くの方々のご出席をお願い致します。

第19回 企業革新研究会 2025年度 第5回

日時: 2025年6月28日 @ 1:00 PM – 2:55 PM
場所: Zoom開催

企業革新研究会(第19回) 2025.6.2 世話人:河合忠彦、平松庸一 木村裕斗、西尾弘一 次の要領で「企業革新研究会」の第19回研究会を開催致しますので是非ともご参加ください。非学会員の方の参加も可能です。 日 時: 2025年6月28日(土) 13:00~14:45 (ZOOM開催) テーマ:「グループ・クリエイティビティ      :ミクロを起点とした創造的集団変動とその実践」 報告者:木村 裕斗(東洋大学経営学部 准教授) コメンテーター:平松 庸一(日本大学商学部 教授)         林 恭子(グロービス経営大学院 教授) 司会:西尾弘一(中央大学経済研究所 客員研究員) 本研究会は今月より、本年2つ目のシリーズとして、戦略的人的資源管理に関する4回の研究会を開催致しております。その趣旨については下記の「SHRMシリーズの狙い」をご参照頂きたいと思います。今回はその第2回として、表記のテーマで木村先生にお話し頂きます。 参加御希望の方は学会のホームページから「6月26日までに」参加登録をしてください。登録者リストを作り、ZOOMミーティングに参加するためのURL、ID/パスワードを「前日に」BCCでお知らせします。 https://iap-jp.org/iasm/event/member/index/224 参考文献 Kawai, T. (2025). Causes of Decline in On-Site Capabilities and Creativity of Japanese Companies—A Tentative Analysis Using the Dynamic Managerial Capabilities Approach and Multi-Model Analysis—. Journal of Strategic Management Studies, 16(2), 101-112. Kimura, Y. (2015). Effectiveness of creative team learning tailored to group characteristics: Examination by simultaneous multi-population analysis. Journal of Strategic Management Studies. 7(2), 49-64. Kimura, Y., Harada, T., & Tsuda, K. (2015). Simulation of knowledge interaction and knowledge convergence in groups. Business Science and Management, 1(1), 20-27. 木村裕斗 (2016). 「創造的チーム学習モデルの探索的検討─多次元的チーム学習行動と集団特性および創造的成果の関係性─」 『経営行動科学』28(3), 197-212. Kimura, Y. […]

第34回 企業交流会

日時: 2025年9月19日 @ 11:00 AM – 5:00 PM
場所: YKK(株)

第34回 企業交流会 YKK(株)のご案内 「フロントローディング実現に向けた品質工学の戦略的活用とは」  第34回企業交流会をYKK(株)において開催いたします.第34回企業交流会では「フロントローディング実現に向けた品質工学の戦略的活用とは」をメインテーマとして,製品設計前の技術開発段階での技術の創り込み,経営課題を達成するための組織的な活動について,実践例の発表と討論を行います. 主催:品質工学会 協賛:日本規格協会,日科技連,横幹連合 開催形式 現地開催 現地参加あるいはリモート配信 (後日オンデマンド配信と生成AIによるQ&Aサービスの予定) 日 時 2025年9月19日(金) 11:00~17:30 プログラム 11:00 YKKAP技術館見学 12:00 昼休憩 13:00 開会挨拶 品質工学会 会長 佐藤吉治 13:10 講演 「YKKにおける技術力強化」 YKK㈱ 池田文夫 13:50 壇上発表 (1)新規感光体駆動ユニットの技術開発における体系的MBDアプローチ ㈱リコー 松田裕道 (2)CAE活用の耐震性確保 JAXA 角有司 (3)ヒトの触覚を考慮したリール用ギヤの先行技術開発 (株)シマノ 井上徹夫 (4)TQMと品質工学の融合による開発のフロントローディング 元マツダ(株) 武重伸秀 16:00 パネルディスカッション 経営課題達成のためのフロントローディングとは(仮) 司会:畠山鎮 パネリスト:講演者,檀上発表者 17:30 閉会挨拶 理事 副会長 近岡淳 18:00~19:30 懇親会 定 員 会場参加先着50名 締切日 2025年9月5日(金)ただし定員になり次第締め切ります. 参加費 会員9,000円 非会員は事務局へお問合せください(懇親会は別途料金8,500円予定) 当日リモート配信8,000円 (後日オンデマンド配信有り) 事務局連絡先 event_info@office.rqes.or.jp 申込先 学会ホームページよりWEB申込み 2025年4月中旬より受付開始予定  

SoS 「システムオブシステムズ分科会」 活動成果報告会

日時: 2025年2月27日 @ 3:00 PM – 4:20 PM
場所: オンライン @Teams

======================================== 一般社団法人システムイノベーションセンター(SIC) イベントの案内 ======================================== 2025年2月6日(木) === SIC技術説明会 SOS分科会成果報告会の紹介 ===   下記要領でシステムオブシステムズ(SoS)分科会成果報告会を開催します。 今回は、SoS CPHSの普及を目指して無料開催としました。御参集下さい。 —–  開 催 概 要  —– 【件名】: 「SoS分科会活動成果報告会」 開催案内 【概要】: 今回、解説します、SOS分科会報告結果では、サイバーフィジカルシステム」(CPS:Cyber-Physical System)や、CPHS(CPS:Cyber-Physical Human System)のシステムの事例と課題を抽出しています。 これは、これまで実現できなかった「部分最適」から「全体最適」へ向かうアプローチであり、これからの社会システムを考える際のコアとなる視点と思われます。今回、SICではシステム化の視点から検討を行い、事例についても様々な分野を取り挙げており、SoSの動きについての参考になるものです。人間を中心としたシステム構築の課題に取り組んだ 「SoS分科会活動成果報告会」に参加されるのをお待ちします。 【主催】:一般社団法人システムイノベーションセンター:人財育成協議会 【日時】2025年2月27日(金)15:00 – 16:20 【場所】オンライン @Teams リンク情報は登録された方にお送りします。 【講師】 SOS分科会主査 藤田政之先生(金沢工業大学教授、元東大教授、横幹連合 副会長) 【費用】:無し 【案内】:講師、報告会の詳細は下記URLを参照下さい。        https://sysic.org/news/4330.html   【申込】:SICイベント参加登録ページ      https://sysic-org.sakura.ne.jp/SICregistration.html       注記;申し込みの際は「参加区分」 会員外のフィールドに「(横幹連合会員+)所属先or団体名」をご記入ください。 【連絡先】一般社団法人 システムイノベーションセンター      Tel/FAX 03-5381-3567        e-Mail office@sysic.org      URL:https://www.sysic.org 事務局所在地  〒160-0023 東京都新宿区西新宿 6-12-7               ストーク新宿1F  B-19号  

統計数理研究所 椿広計所長退任記念シンポジウム

日時: 2025年3月26日 @ 2:00 AM – 5:00 PM
場所: 一般財団法人 日本教育会館 一ツ橋ホール *現地開催のみ, 東京都千代田区一ツ橋2-6-2

【日時】2025年3月26日(水) 14:00~17:00 【会場】一般財団法人 日本教育会館 一ツ橋ホール *現地開催のみ 【参加申込方法】   参加費無料・要登録   お申込はこちらから   ※定員を超えた場合は申込み受付を制限させていただきます 【題目】「統計数理の新しいコミュニティ連携に向けて」 【趣旨】現代社会において、統計数理科学はますます重要な役割を果たしており、分野を越えた学問的交流や協働が不可欠です。本シンポジウムでは、「統計数理の新しいコミュニティ連携に向けて」をテーマに、統計数理科学としての専門性と共通性を探るべく、医学統計、品質管理、ビジネス科学の3分野の専門家をお招きし、それぞれの視点から議論を深めていただきます。 本シンポジウムを通じ、統計数理科学のさらなる発展を目指し、学際的な連携の可能性や新しいコミュニティの構築に向けた道筋を見出す契機となることを期待しております。本シンポジウムは統計数理研究所長の椿広計の退任を記念して企画しました。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。 【対象】統計数理科学、データサイエンス等に広くご興味をお持ちの方。 【プログラム】 14:00-14:10 開会挨拶         山下 智志(統計数理研究所副所長) 14:10-14:20 来賓挨拶 14:20-14:45 講演1「統計数理と医療」         佐藤 俊哉(統計数理研究所 特任教授、滋賀大学 データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター 特任教授) 14:45-15:10 講演2「標準化と品質管理からみるデータサイエンス」         山田 秀(慶應義塾大学理工学部管理工学科 教授) 15:10-15:35 講演3「金融実務家から研究者へ(私の個人研究遍歴と椿広計先生との思い出)」         大野 忠士(筑波大学客員教授/名誉教授、統計数理研究所 客員教授) 15:35-15:50 休憩 15:50-16:40 パネル討論「統計数理の新しいコミュニティ連携に向けて」         パネリスト:佐藤 俊哉、山田 秀、大野 忠士、山下 智志         コーディネータ:椿 広計(統計数理研究所長) 16:40-17:00 閉会挨拶         椿 広計 18:00-20:00 意見交換会(受付開始 17:30)         会場:如水会館 スターホール         詳細は後日ご案内します 【主催】大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所 【後援】(依頼中) 【問合先】統計数理研究所運営企画本部企画室URAステーション特命URA北村浩三 〒190-8562 東京都立川市緑町10-3、E-mail:kitamuk@ism.ac.jp、電話:050-5533-8580

企業革新研究会(2025年 第4回)

日時: 2025年5月29日 @ 6:30 PM – 8:15 PM
場所: ZOOM 開催

2025.4.30 世話人:河合忠彦、西尾弘一 アドバイザー:平松庸一、木村裕斗 次の要領で「企業革新研究会」の第18回研究会を開催致しますので是非ともご参加ください。非学会員の方の参加も可能です。 日 時: 2025年5月29日(木)18:30~20:15 (ZOOM開催) テーマ:「人的資源管理論の新潮流ーこれからの研究と実務の視点からの論点整理」 報告者:薄上二郎(青山学院大学経営学部教授) コメンテーター:絹村信俊(三重大学人文学部准教授)         西尾弘一(中央大学経済研究所客員研究員) 司会:木村 裕斗(東洋大学経営学部准教授) 本研究会は今月より、本年2つ目のシリーズとして、戦略的人的資源管理に関する4回の研究会を開催いたします。その趣旨については下記の「SHRMシリーズの狙い」をご参照頂きたいと思います。今回はその第1回で、そのような研究シリーズのスタートへの問題提起として、表記のテーマで薄上先生にお話し頂きます。 参加御希望の方は学会のホームページから「5月27日までに」参加登録をしてください。登録者リストを作り、ZOOMミーティングに参加するためのURL、ID/パスワードを「前日に」BCCでお知らせします。 https://iap-jp.org/iasm/event/member/index/222 参考文献 柿沼英樹. (2023). タレントマネジメントと戦略的人的資源管理の言説空間の可視化: 計量書誌学的手法による異同の検討. 組織科学, 57(1), 66-79. 竹内倫和. (2024). 人的資源管理と組織及び個人成果との関係についての理論と実証. 日本労働研究雑誌, 66(4), 38-43. 竹内規彦. (2023). 持続可能性パラダイムにおける人的資源管理と人的資本: ミクロの視点からみた課題と展望. 組織科学, 57(1), 39-50. 竹田次郎. (2021). 米国流戦略的人的資源管理論 (SHRM) の批判的検証と日本への示唆. 社会政策, 12(3), 105-116. 砂原健一, 千葉純平, & 西村孝史. (2024). 戦略的人的資源管理研究と人的資本経営: 論点整理と今後の研究課題. 経済経営研究, 6, 17-40. SHRMシリーズの狙い  本研究会では、これまで、「日本企業の“創造性/革新性の欠如”と“現場力の低下”の“並存”の原因とその克服の方策はいかなるものか」、「企業の競争力/存続能力の強化に資するIoT/AI時代のダイバーシティ・マネジメント」などを統一テーマとした研究会を開催してきました。そこから、日本企業の革新による競争力の強化、それによる日本経済の復活のためには、戦略と適合的な人的資源や組織の形成・運用が必要ではないかという共通認識が、我々の研究会では形成されつつあります。 ところが、それに直接役立ち得る理論は見当たらず、それにもっとも近そうな戦略的人的資源管理論(SHRM論)を批判的に検討したいと考えるようになりました。現在のところ、人的資源関連の研究者間におけるHRMへの戦略的接近への評価は、必ずしも芳しくないと思われます。 そこで本研究会は、そのような理論の展開の可能性を見出すべく、「戦略と適合的な人的資源や組織の形成・運用」についてのシリーズを(当面簡略化のために「SHRM論シリーズ」として)立ち上げることとしました。本年度はその第一歩として、そもそもそのような可能性があるのかということの検討を行います。4回の研究会を開催致しますので、多くの方々のご出席をお願い致します。

企業革新研究会(2025年 第3回)

日時: 2025年4月19日 @ 1:30 PM – 3:15 PM
場所: ZOOM 開催

2025.3.21 世話人:河合忠彦、西尾弘一 アドバイザー:平松庸一、木村裕斗  次の要領で「企業革新研究会」の第17回研究会を開催致しますので是非ともご参加ください。非学会員の方の参加も可能です。 日 時: 2025年4月19日(土) 13:30~15:15 (ZOOM開催) 報告者:河合忠彦(筑波大学) テーマ:「プラットフォーマーのCSR/CGの分析枠組みとEVウォーズでの(プラッ トフォーマーを含む企業間の)競争戦略の分析枠組み」 コメンテーター:高桑健太郎 (レアソン リサーチ&コンサルティンググループ) 司会:西尾弘一  企業革新研究会は本年より、これまでの「組織革新シリーズ(これまで、現場力、多様性について開催)」と「EVウォーズシリーズ」に加えて「プラットフォーマー研究」を統一テーマとするシリーズ立ち上げ、GAFAMを中心とするプラットフォーマーをさまざまの切り口から多面的に分析していきたいと考えています。本年は、その「プラットフォーマー研究シリーズ」の第1回として、3回の研究会を開催致します。  今回は、その第3回として、表記テーマについてお話しします。詳細については、下記の発表要旨をご覧ください。  参加御希望の方は学会のホームページから「4月17日までに」参加登録をしてください。登録者リストを作り、ZOOMミーティングに参加するためのURL、ID/パスワードを「前日に」BCCでお知らせします。 https://iap-jp.org/iasm/event/member/index/221 発表要旨  最初は、「プラットフォーマーのCSR/CGの分析枠組み」についてです。プラットフォーマーの(プラスの側面を生かしつつその)危険な側面を抑制することが期待されますが、それが困難なことは、前回研究会で取り上げた「AI」ガバナンスの必要性が政府、業界、企業等の複数レベルで論じられていることからも明らかです。そして、その最初の、もっと重要なレベルとして、AI(開発・使用)に関する企業のCSRが何かを明らかにし、それを自主的に順守する仕組みとしてのCGの確立が期待されますが、そのために使える有力な理論的フレームワークは今のところなさそうです。  今回は、2020年代になって登場して「現代版CSR論」とも言われている「サステナビリティ経営論」を取り上げ、そのようなフレーム足りうるのかを異なる視点に立つ先駆的な2著((松田(2021)、西尾・上林(2025))を手がかりに検討し、表記のテーマの研究への多くの方々の参入への一助にしたいと思います。  次いで、「EVウォーズでの(プラットフォーマーを含む企業間の)競争戦略の分析枠組み」についてです。日本メーカーはEVウォーズの緒戦で競争力のあるビジネスモデルの構築に大きく出遅れて敗北し、現在は、予期せぬEVへの逆風の発生で与えられた猶予期間をつかって第2ラウンドでの巻き返しを狙っていますが、最大のEV市場である中国を中心にその戦いは厳しいものになりそうです。車載電池の調達やSDV化の遅れの解消し、先行したテスラ、BYD、およびそれに追随して急速に力を付けつつある中国の新興EVベンチャー等に追い付くのは容易ではなさそうだからです。  また、ここへきてもう1つの不安要因が生じています。ファーウェイを筆頭とするプラットフォーマーの参戦です。同社は他社にEVのコア部品である車載OSを提供するプラットフォームビジネスを展開しつつあり、既にBYDを含む数社に同社の車載OSを提供しています。これは、EVでは、「パソコンでのMS(ウィンドウズ)の支配」と「スマホでのアップル(iOS)とグーグル(アンドロイド)の並立」の2タイプのいずれが現出するのかという考えを連想させるものであり、既存メーカーのサバイバル戦略を考えるうえで重要な要因になりそうです。  このような第2ラウンドでの競争の分析ではダイナミック競争戦略論とプラットフォーム理論のコラボレーションの必要性があると見られるため、本研究会では年末にスタート予定の「EVウォーズ研究シリーズ」では、(競争の現状についての報告/分析とともに)それに関連する研究を取り上げる予定となっています。今回の報告では、本テーマの研究への多くの方々の参入を期待して、これまでの研究の進展状況、取り組むべき問題等についての紹介を行います(参考文献:高桑(2017, 2024)、河合(2012)、Kawai(2019))。 参考文献  松田千恵子(2021)『サステナブル経営とコーポレートガバナンスの進化』日経BP  西尾チヅル・上林憲雄編著(2025)『サステナブル経営―原理・潮流・実践―』同文館出版  高桑健太郎(2017)「多面プラットフォーム間の水平差別化条件の研究」『情報社会学会誌』vol. 12, no. 1, pp. 33-43.  高桑健太郎(2024)「複数の補完材を伴うプラットフォーム間の競争」『情報社会学会誌』Vol. 19, No. 1, pp. 19-36.  河合忠彦(2012)『ダイナミック競争戦略論・入門――ポーター理論の7つの謎を解いて学ぶ』有斐閣  Kawai, T. (2019). A tentative framework of dynamic platform strategy―For the era of GAFA and 5G. Journal of Strategic Management Studies, 11(1), 19-36. 以上